ボルゴ・デル・ティリオ 訪問 3/3
一通りセラー内を見学させて頂いた後、いよいよお楽しみのテイスティング。
この写真は、ボルゴ・デル・ティリオの店頭で出しているワインリスト。 (価格はインポーターさんに配慮して消しました。)
年数を見ると、何やら「オフ・ヴィンテージのオンパレード」感が強い、少し悲しいラインナップ。
でも、今日は何やら裏から色々と出してくれるようだ。
テイスティングの用意が整うまで、パンフレットを開きながら、畑ごとのキャラクター違いを説明してくれた。
※畑のキャラクターについての記事はこちらを参照ください。
» 【 ボルゴ・デル・ティリオ 】官能的な白ワインを生みだす、3つの畑の秘密とは?!
蔵元での試飲
手始めに、
- Milleuve Bianco 2008
- Collio 2008 (Tocai:40%、Sauvignon:40%、Malvasia:10%、Riesling:10%)
- Chardonnay 2008
- Malvasia 2008
- Sauvignon 2008
を一通り試飲。
ヴィンテージの特徴が出ているのか、全体的に「サラリとした」冷さを感じる水のような印象。
とは言うものの、 ” Sauvignon 2008 ” と ” Malvasia 2008 ” の出来映えは、他の白ワインよりも突出していた。
もちろん、いずれのワインも、フリウリのテロワールを感じさせる、少し塩味を感じる力強いミネラルは、健在である。
Malvasia 2008
マルヴァジーアは一つ上のクラスのセレッツィオーネを造っているためか、ノーマルクラスのこのワインも内容が充実している。
this is complex !
グリーンがかった淡い黄色、残糖感が強くアロマティック。
Sauvignon 2008
グリーンがかった淡い黄色。
所謂フレンチ的な「ピピ・ド・シャー」のアロマだけでなく、こっちの人がよく言う「桃の香り」。
酸味が綺麗でエレガントな印象。
マルケ州で造っているワイン ” Contrada Tenna ” も試飲。
Marche Rosso 2006
親しみやすいジャムのような果実味を感じるワイン。
甘いタンニンは舌触りがソフトで、とても飲み易い。
Sangiovese 2006
どうもバリック熟成されたサンジョベーゼの個性を捉えきれない。
ポテンシャルは高いと思うが、ピュアで密度の高いワインは、若い内は閉じていて、その表情を見ることが難しく、手強いワイン。
現時点では、評価もコメントも困難。
あと3年~5年は寝かせるべきだと思う。
Rosso 2005
メルロー40%とカベルネ・ソーヴィニョン60%のブレンドワイン。
軽いバリック、カベルネ種特有のブーケが素晴らしい。軽やかさがあり、チャーミングな味わい。
繊細が持ち味の「ボルゴ・デル・ティリオらしさ」と言う点では、2006のワインよりも好みのタイプ。
Rosso della Centa 2006
サン・ジョルジオの名前が付いた小さな畑から獲れた、貴重なメルロー。生産量は1,200本程度。
ステンレスタンクで短期間休ませた後、フランス産バリックで24ヶ月熟成。
その後24ヶ月ボトル熟成させ出荷。
凝縮感のある若いメルローは、そのテンションの高さから一瞬「無表情」に映る場合があり、カベルネ・ソーヴィニョンよりも判りづらい。
数年の熟成を経てそのポテンシャルの高さに、改めて驚かされるワイン。
Rosso Riserva 2006
良年のみに造られる、前々述の「ロッソ」のリゼルヴァ・クラスにあたるワイン。
やはりコルモンスにとって、この年は猛暑だったのか、アルコール度数は15度と、かなり高め。
大変ビックなワインであり、今飲んでも大変美味しいが、あと5年寝かせたらどうなるのか? と恐ろしい妄想が膨らむ。
果実味の凝縮感と、複雑性、エレガントな味わいには圧倒される。
早く日本に来ないかな。
Rosso Riserva 2001
ああ。。こんな逸品を蔵元で飲めるなんて。
セクシーでデラックス。
もし今、買えるなら箱で買うべきワイン。
(日本で買えないなら海外から買っても損はないとおもう)。
個人的に、今まで飲んだ「ボルゴ・デル・ティリオ」のリゼルヴァの中では、一番好き。
「WOW!」と感嘆の言葉しか出てこない、尋常でない旨さ。
繊細さと、少し枯れたニュアンスの「エロさ」が織りなす、素晴らしい味わい。
おまけ
インポーターのマダムGより贈呈されたという、浮世絵の写し。
おっぱいポロリで酒を飲む姿がキュートだということで、ニコラ・マンフェラーリは、この絵をとても大事にしている。
「イタリアと違って、昔から日本の女の人は美味しいお酒を飲むと、おっぱい出しちゃうんです。
ボルゴ・デル・ティリオのワインのせいで、我が国は大変なことになってます。もう出しまくりです。」と言ってやりました。