【伝統派VSモダン】バローロとバルバレスコの生産者名まとめ
「モダン」VS「伝統派」の論争も、21世紀にはいり、ひと段落した感があります。
今日バローロ・バルバレスコの生産地区では、「モダン」「伝統派」を問わず、心ある多くの生産者がビオ・ロジカルな栽培を実践し、丁寧にグリーン・ハーベストを行なっています。
(むしろ、ビオ・ロジカルでない生産者の名前を挙げる方が、難しいくらいです。)
醸造スタイルで、「モダン」「伝統派」を仕分けるのも、難しい時代になりました。
- 果皮からのエキスを濃く抽出するため、マセレーション期間を数十日設ける。
- ワインの劣化を防ぐため、プレスから発酵の工程までコンピュータ制御により、徹底的に酸素に触れないようにシステム化する。
- ステンレスタンクで発酵させスラヴォニアンオーク(大樽)で熟成を行う。
- 新樽バリック、数年落ちのバリック、大樽を併用する。
- 樽香を抑えた1年落ちのバリックで長期間熟成を行う。
- フランスや海外の原料で作った新品の大樽で熟成を行う。
- 樽での発酵・熟成期間よりも、瓶内熟成期間の長くとる
- クリュ別に発酵・熟成を行い最後にブレンドする。
などなど、生産者によって考え方もやり方も、百人百様。
時代の変化とともに、醸造のテクニックは複雑に進化し、かつてのように単純な二元論で語ることはできなくなりました。
さらに「葡萄栽培に関する、生産者ごとのコダワリ」という条件が加味されると、状況はますます複雑化するため、「モダン」VS「伝統派」と単純な分け方は、無意味にすら感じます。
「果実味の強いもの / 控え目なもの」「酸のニュアンスの強いもの / 穏やかなもの」、「樽香のはっきりしたもの / 穏やかなもの」、「タンニンが多いもの / 少ないもの / なめらかなもの / 厳しいもの」、「濃いもの / 薄いもの」、「20年以上熟成可能なもの / 5年程度で味わいのピークを迎えるもの」などなど、同じネッビオーロ種で作るワインでも、味わいは様々です。
むしろ、飲み手である我々が、そうした醸造の違いからくる味わいを、ワインの個性としてとらえ、TPOにあわせて賢くチョイスする時代に突入した、と言えます。
とはいえ、80年代から続く、「モダン」VS「伝統派」の分別は今も健在ですし、多様なネッビオーロ種のワインの中から、好みの味わいを探しだすヒントになっていることも否めません。
下記に、あくまで一般論として「モダン」VS「伝統派」で分け、所在地別に生産者名(ワイナリー名)を整理し直しました。
※畑や生産地名がワインに記載されていても、ワイナリーの所在地は別の場所、もしくは畑を所有していあい場合があります。
※どの村の畑で収穫された葡萄で造ったのか(混醸したのか)を、必ず生産者のWEBサイトなどで、必ず確認しましょう。
※「バローロ村」「ラ・モッラ村」など、各産地ごとの味わいの特徴は、こちらのリンクをご覧ください。
Barolo (バローロ)村の生産者
伝統派
- Bartolo Mascarello (バルトロ・マスカレッロ)
- Bric Cenciurio (ブリック・チェンチウリオ)
- Damilano (ダミラノ)
- Francesco Borgogno (フランチェスコ・ボルゴーニョ)
- Francesco Rinaldi (フランチェスコ・リナルディ)
- Fratelli Barale (フラッテリ・バラーレ)
- Fratelli Serio e Battista Borgogno (フラテッリ・セリオ・エ・バッティスタ・ボルゴーニョ)
- G. D. Vajra (G. D. ヴァイラ)
- Giacomo Borgogno e figli (ジャコモ・ボルゴーニョ・エ・フィリ)
- Giacomo Brezza (ジャコモ・ブレッザ)
- Giuseppe Rinaldi (ジュゼッペ・リナルディ)
- Givanni Canonica (ジョヴァンニ・カノニカ)
モダン
- E. Pira e Figli – Chiara Boschis (ピラ・エ・フィリ = カンヌビ・ボスキス (キアラ・ボスキス))
- Giacomo Grimaldi (ジャコモ・グリマルディ)
- Luciano Sandrone (ルチアーノ・サンドローネ)
- Marchesi di Barolo (マルケーシ・ディ・バローロ)
※歴史ある生産者だが、近年モダンスタイルに傾に。バルバレスコはバリック使用 - Terre da Vino (テッレ・ダ・ヴィーノ)
Serralunga d’Alba (セッラルンガ・ダルバ)村の生産者
伝統派
- Cappellano (カッペッラーノ)
- Fontanafredda (フォンタナフレッダ)
※同社フラッグシップの「テニメンティ・シリーズ」ではバリックを使用 - Giovanni Rosso (ジョヴァンニ・ロッソ)
- Guido Porro (グイド・ポッロ)
- Luigi Baudana (ルイジ・バウダーナ)
- Massolino (マッソリーノ)
- Mirafiore – Fontanafredda (ミラフィオーレ)
- Schiavenza (スキアヴェンツァ)
- Villadoria (ヴィラドリア)
モダン
中庸的
Monforte d’Alba (モンフォルテ・ダルバ)村の生産者
伝統派
- Attilio Ghisolfi (アッティリオ・ギソルフィ)
- Cascina Fontana (カッシーナ・フォンタナ)
- Elio Grasso (エリオ・グロッソ)
※「キニエラ」と「カサ・マテ」はスラヴォニアンオーク熟成。「ルンコト・リゼルヴァ」はバリック熟成 - Fantino Alessandro & Giannatale (ファンティーノ・アレッサンドロ・エ・ジャンナターレ)
- Flavio Roddolo (フラヴィオ・ロッドロ)
- Giacomo Conterno (ジャコモ・コンテルノ)
- Giacomo Fenocchio (ジャンフランコ・フェノッキオ)
- Paolo Conterno (パオロ・コンテルノ)
- Poderi Aldo Conterno (ポデリ・アルド・コンテルノ)
※アルド・コンテルノがっ作った単一畑シリーズは伝統的なつくり。息子の代のワインはモダン。 - Renzo Seghesio (レンツォ・セゲーシオ)
モダン
- Armando Parusso (アルマンド・パルッソ)
- Bussia Soprana (ブッシア・ソプラーナ)
- Conterno Fantino (コンテルノ・ファンティーノ)
- Domenico Clerico (ドメニコ・クレリコ)
- Gianfranco Alessandria (ジャンフランコ・アレッサンドリア)
- Giovanni Manzone (ジョヴァンニ・マンゾーネ)
- Josetta Saffirio (ジョゼッタ・サッフィーリオ)
- Monti (モンティ)
- Rocche dei Manzoni (ロッケ・ディイ・マンゾーニ)
中庸的
Castiglione Falletto (カスティリオーネ・ファッレット)村の生産者
伝統派
- Brovia (ブロヴィア)
- Cavallotto – Tenuta Bricco Boschis (カヴァロット・テヌータ・ブリッコ・ボスキス)
- Gigi Rosso (ジジ・ロッソ)
- Rocche Viberti (ロッケ・ヴィベルティ)
- Vietti (ヴィエッティ)
モダン
- Azelia (アゼリア)
- Ceretto (チェレット)
- Paolo Scavino (パオロ・スカヴィーノ)
- Terre del Barolo (テッレ・デル・バローロ)
La Morra (ラ・モッラ)村の生産者
伝統派
- Accomasso (アッコマッソ)
- Aurelio Settimo (アウレリオ・セッティモ)
- Bosco Agostino (ボスコ・アゴスティーノ)
- Erbaluna (エルバルーナ)
- Luigi Oddero (ルイジ・オッデーロ)
- Marcarini (マルカリーニ)
- Michele Reverdito (ミケーレ・レヴェルディート)
- Poderi e Cantine Oddero (ポデリ・エ・カンティーネ・オッデーロ)
- Rocche Costamagna (ロッケ・コスタマーニャ)
モダン
- Andrea Oberto (アンドレア・オベルト)
- Batasiolo (バタシオーロ)
- Cascina Ballarin (カッシーナ・バッラリン)
- Cordero di Montezemolo (コルデロ・ディ・モンテツェモロ)
- Elio Altare (エリオ・アルターレ)
- Enzo Boglietti (エンツォ・ボリエッティ)
- Eugenio Bocchino (エウジェニオ・ボッキーノ)
- Fratelli Revello (フラテッリ・レヴェッロ)
- Gianfranco Bovio (ジャンフランコ・ボヴィオ)
- Gianni Gagliardo (ジャンニ・ガリアルド)
- Gianni Voerzio (ジャンニ ヴォエルツィオ)
- Giovanni Corino (ジョヴァンニ・コリーノ)
- Mario Gagliasso (マリオ・ガリアッソ)
- Mario Marengo (マリオ・マレンゴ)
- Mauro Molino (マウロ・モリーノ)
- Mauro Veglio (マウロ・ヴェリオ)
- Renato Corino (レナート・コリーノ)
- Renato Ratti (レナート・ラッティ)
※歴史のある生産者だが、現在はモダンなスタイルに。 - Silvio Grasso (シルヴィオ・グラッソ)
- Stroppiana (ストロッピアーナ)
中庸的
Alba (アルバ)の生産者
伝統派
- Manuel Marinacci (マヌエル・マリナッチ)
- Poderi Colla (ポデーリ・コッラ)
モダン
- Adriano Marco e Vittorio (アドリアーノ・マルコ・エ・ヴィットリオ)
- Boroli (ボローリ)
- Edoardo Sobrino (エドアルド ソブリーノ)
- Mauro Sebaste (マウロ・セバステ)
- Pio Cesare (ピオ・チェーザレ)
- Prunotto (プルノット)
Barbaresco (バルバレスコ)村の生産者
伝統派
- Albino Rocca (アルビーノ・ロッカ)
- Cantina del Pino (カンティーナ・デル・ピーノ)
- Gaja (ガヤ(ガイヤ))
- Guiseppe Cortese (ジュゼッペ・コルテーゼ)
- La Spinona (ラ・スピノーナ)
- Olek Bondonio (オレック・ボンドニオ)
- Produttori del Barbaresco (プロドゥットーリ・デル・バルバレスコ)
- Rivella Serafino (リヴェッラ・セラフィーノ)
- Roagna – I Paglieri (ロアーニャ – イ・パリエーリ)
モダン
- Bruno Rocca (ブルーノ・ロッカ)
- Ca’ Rome (カ・ロメ)
- Cascina Bruciata (カシーナ・ブルチャータ)
- Cascina Morassino (カシーナ・モラッシーノ)
- Marchesi di Gresy (マルケージ・ディ・グレシー)
- Moccagatta (モッカ・ガッタ)
Neive (ネイヴェ)村の生産者
伝統派
- Bruno Giacosa (ブルーノ・ジャコーザ)
- Cantina del Glicine (カンティーナ・デル・リチーネ(グリチネ))
- Castello di Neive (カステッロ・ディ・ネイヴェ)
- Fratelli Cigliuti (フラテッリ・チリューティ)
- Fratelli Giacosa (フラッテリ・ジャコーザ)
- Piero Busso (ピエロ・ブッソ)
- Ugo Lequio (ウーゴ・レクィオ)
モダン
- Elio Filippino (エリオ・フィリッピーノ)
- Luigi Voghera (ルイジ・ヴォゲラ)
- Massimo Rivetti (リヴェッティ・マッシモ)
- Sottimano (ソッティーマノ)
- Tre Donne (トレ・ドンネ)
Treiso (トレイゾ)村の生産者
伝統派
モダン
- Ada Nada (アダ・ナダ)
- Ca del Baio (カ・デル・バイオ)
- Fratelli Grasso (フラッテリ・グラッソ)
- Pelissero (ペリッセロ)
中庸的
- Elvio Pertinace (エルヴィオ・ペルティナス)
その他エリアの生産者
– Dogliani –
伝統派
モダン
中庸的
– Grinzane Cavour –
WikipediaCommons
モダン
- La Spinetta (ラ・スピネッタ)
※本社は、Castagnole Lanze(Asti)
– Monchiero –
伝統派
– Novello –
伝統派
モダン
- Raineri Gianmatteo (ライネリ・ジャンマッテオ)
– Verduno –
伝統派
- Bel Colle (ベル・コッレ)
- Castello di Verduno (カステッロ・ディ・ヴェルドゥーノ)
- Comm. G. B. Burlotto (コメンダトーレ・G・B・ブルロット)
- Fratelli Alessandria (フラテッリ・アレッサンドリア)
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