まるで美術館! イタリアワインの帝王GAJA(ガイヤ)ワイナリー
黒地に白抜きで「 GAJA 」の文字。
恐らく、「世界で一番有名なイタリアワイン」ではないでしょうか。
普段イタリアワインを飲まない人でも、そのエティケッタを見たことはあるでしょう。
Angelo Gaja (アンジェロ・ガイヤ)は、20世紀以降、イタリアでも最もワインビジネスで成功した人物の一人です。
※日本では「ガヤ」「ガイア」と発音する人が多いですが、「ガイヤ」と発音するのがピエモンテ風です。
アンジェロ・ガイヤがピエモンテにもたらした多くの功績とその偉業については、
多くの書籍やインタビュー記事がありますので、敢えて、当ブログには記載しません。。
しかし、彼の哲学や情熱を、より深く理解したいと思うのであれば、たった1冊、お奨めしたい書籍があります。
「 バルバレスコよ永遠に - ガイヤのワインと仲間たち - 」
エドワード スタインバーグ (著), 吉田 節子 (編集), 有坂 芙美子 (翻訳)
なぜ、お奨めするかと言いますと、アンジェロご本人が、そう申していたからです。
「・・・ここに、すべて書いてある」 と。
僕らは、大変ラッキーなことに、アンジェロ・ガイヤ氏本人と直接お会いする機会に恵まれました。
無く子も黙る、イタリアワイン界の帝王。アンジェロ・ガイアに謁見する!
通常、Azienda Agricola Gaja(アジェンダ・アンジェロ・ガイヤ)では、ビジネスとプレスのお客様以外はの訪問は受けて付けていません。
連絡先も基本的にはオープンにしていません。
一目ワイン界の帝王に謁見すべく、バルバレスコ村を訪れる多くのワイン・ラヴァー達が、このゲートの前に立ち、ブーザーを押します。
しかし、謁見どころか敷居を跨ぐことすら許されず、すごすごと引き返すことになります。
では、僕らはどうやって招きいれてもらったのでしょうか。
実は、NHKの「タイムスクープハンター」でいうところの、『特殊な交渉術』を用いました。
嘘です。 正式にオファーを出して、正々堂々と真正面からお願いをしただけです。
日本だけでなく多くのガイヤ・ワイン・ファンが、「あのゲートの向こうはどうなっているのか?」と興味津々だと思います。
訪問したのは2010年8月。
何れも夏っぽい画像が中心となりますが、カンティーナの中の様子の一部をご案内したいと思います。
但し、醸造に関する場所の撮影は一切NGとなっておりますので、お見せすることはできません。予めご了承ください。
いよいよGAJA(ガイヤ)ワイナリーのゲートをくぐる。
水色のゲートをくぐると、左手にあるオフィスがあります。
セクレタリアの Alessandra さんに案内されるまま、オフィスの横を抜け、僕らは、ゲストルームへと通されました。
以前、僕がVinotheque(ヴィノテーク) に寄稿した際に、執筆料の換わりに編集長から頂いた日本語版を、日本から持参したのですが、テーブルには各国語に訳されたものが、何冊も平積みになっていました。
Alessandra さん曰く、
「今日は、アメリカからプレスとワインバイヤーが来るとのことで、一緒に案内するので暫くここで待っててね。」
「で、一通り施設を見学が終わったら、アンジェロ本人のガイドよるテイスティングと、アンジェロを交えた昼食を用意しているんだけど、この後の予定は大丈夫??」
・・・もちろん! 全く問題ありません。(はい、大丈夫にします)
ワイナリーの歴史を感じさせる ” GAJA ” のアンティークボトル達
部屋の奥には、Azienda Agricola Gajaの歴史において、ターニングポイントになった記念すべきボトル達が整然と並べられています。
ちょっと時間があったので1本ずつ撮影しました。全部UPします。
さあ、GAJAフリークスのみんなは、幾つ知っているかな? (珍しいキナートなんかもありますよ)
アメリカからプレス2名、バイヤー1名が加わり、漸くメンバーが揃いました。
この扉を開くと、初代 Giovani Gaja が17世紀(1859年)に入植した当時に設立した、建物を利用した地下セラーへと繋がります。
ツアーがスタートするも、ここからは醸造設備(企業秘密)エリアなので撮影は禁止。
文章だけの説明となりますが、暫しの間ご容赦ください。
ガイヤ(ガヤ)の歴史
GAJA(ガイヤ)家は、ピエモンテの伝統に則り、世代毎に交互に名前を継いでいます。
現在の Angelo Gaja は、4代目当主です。
セラーの扉をくぐると、直ぐに膨大な量と大きさの大樽が目に飛び込んできます。
現在、ピエモンテ州だけでなく大樽を使うイタリアの多くの生産者は、ヴェネト州に本社を置く Garbellotto (ガルベロット)社製の大樽を愛用しています。
ところが、Gaja は地元ピエモンテ州アスティ市にあるGAMBA(ガンバ)社製の大樽を使っています。
Alessandra さんのガイドに従い、彼女の後をついてまわりながら、幾つ大樽があるのか試しに数えてみました。
50ヘクリットル・クラスの大きい容量のものから、24ヘクリットルの小さい容量のものまで、GAMBA(ガンバ)社製の大樽が、なんと30機以上も置かれていました。
そう、驚くほどに地下セラーは広いのです。
バルバレスコ村のチェントロの地下がすべてガイヤの醸造施設なのではないかと思うほどの広さです。
「あれ? ガイヤってモダン・バローロやモダン・バルバレスコの生産者でしょ? なんで、大樽なんか使っているの? 」
「フランスからバリック(小樽)を持ち込んだから、成功したんじゃないの? 」
と思われている方も多いと思いますが、実はちょっと違います。
詳しくは「【イタリアワインの帝王】GAJAワインの秘密」という記事をご覧ください。
バリック・ルームにおいては、ワインを湛えたフランス・アリエ産の新樽が2段重にされ、整然と並べられていました。
(50近くまで数えましたが途中で数えるのが嫌になりました。とにかく大量に並んでいました)
漸く、地下セラーから階段で上にあがると、窓越しに中庭が見えてきました。
若きアンジェロ・ガイヤがブルゴーニュからランゲ地方に持ち帰った戦利品は、単に「バリックによる樽熟成方法」だけではありません。
実はガイヤは、アメリカでは最大手のリーデルグラスの正規インポーターでもあります。
また、世界で一番有名な高級ワイン「ロマネ・コンティ」の正規インポーターとしても名を馳せています。
こうしたワインビジネスのトップ達との交流を通じ、品質管理やブランディングやマーケティングといった
現代的ワインビジネスのノウハウや情報を蓄積してきました。
高品質なワインと優れたビジネスモデルとのシナジーが、ガイヤを今日の成功へと導きました。
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