ボルゴ・デル・ティリオ 訪問 2/3
イノックス(ステンレス)タンクの森
セラーを繋いでる石畳の廊下。
正面にテイスティング・ルームのバックヤード。 廊下の右手はイノックス・タンク室。
白ワインを発酵(一次発酵は3日間とのこと)させる、イノックス・タンク(ステンレス・タンク)室。
ご覧のように、イノックス・タンクは、大小あわせて60本程ある(5、10、20ヘクリットルとサイズは様々)。
畑ごとに、また、収穫された葡萄の量と状態に応じて、大きさの異なるタンクを使い分ける。
テイスティングルームへ
別の部屋に行くために、中庭を横切ろうと、セラーを出たところで、雨が急に強くなる。
暫し、軒先で雨宿りだ。
こうした雨の降り方は、この時期としては例年通りだそうで、特に5月のコッリオ~コルモンス周辺では、刻々と天気が変わるらしい。(特に4月は雨が多い。)
雨足が小降りになってきたタイミングを見計らい、急いで中庭を横切りって、テイスティングルームと事務所のある棟へ移動する。
現在、ボルゴ・デル・ティリオでは、この建物の2階を事務所として利用していて、普段はこの屋敷には、誰も住んでいない。
1階にあるテスティングルームの隣の部屋は、恐らく嘗てはこの屋敷の台所だったのだろう、窯や暖炉、に加え、古いポレンタ鍋まで置いてある。
少々焦げ臭く、つい最近、火を焚いたような痕跡もあった。
ボルゴ・デル・ティリオのラベルの秘密
セラーと事務所のある建物から、いったん外に出て、通りの向かいにある建物へと移動。
ここで、はたと気が付く。
あれ?
今まで観てきた施設の位置関係、ボルゴ・デル・ティリオのエチケッタのデザインと同じじゃないか!
事務所やセラー、教会、オモテの大木の位置関係まで、そのまんま。
ボルゴ・デル・ティリオの倉庫
建物は、一見、倉庫や物置のように見えるが、内部には、ボトリング・マシーンや未使用の醸造器具等もあった。
ボルゴ・デル・ティリオでは、そのエレガントな味わいから、果汁やワインを動力を使わずにタンクに移していると思ってた。
ところが、実際は設備をよく見ると、コンプレッサーを動力とし、果汁やワインを1Fから2Fのタンクへと機械で送り出しているようだった。
建物の2階の一角には、かなり使い込まれた Garbellotto社(ガルベロット)製の木製開放型発酵槽(TINI:ティーニ)が置いてある。
もちろん、まだまだ現役選手だ。
ラディコンやニコ・ベンサ(ラ・カステッラーダ)が使っている木製開放型発酵槽と比べると、非常にコンパクトなサイズである。
ニコラ・マンフェラーリが、薬剤師から転身して、父の後を継ぎりワイン造りを本業としたのは、1981年のこと。
以来、少しずつ今日の規模まで、畑を買い増してきた。
それぞれの畑から収穫される葡萄のポテンシャルを、最大限表現するために造らせた、特注の小さなオーク樽が、このコンパクトな発酵槽である。
貴重なリゼルヴァ・クラスのワインや、コントラーダ・テンナのシリーズ、 ” Verduzzo 1998 (ヴェルトゥッツォ) ” が眠っていた。
因みに、300本しか造れなかった、この ” Verduzzo ” は、4月のヴィニタリーで一瞬にして10箱売り切ったそうで、僅かに数十本を残すのみとなっている。