” Borc Dodon “(ボルク・ドドン) 訪問 :2/2
※livedoorブログのスパムコメントが激しく、当時の記事を当該ブログへ記事を移しました。(つい最近、エチケッタもガラッと変わりましたね。)
デニス・モンタナルのワインの味わい
デニスの家の食卓が、テイスティングルームへかわる。
冷蔵庫でキンキンに冷ひやした、自家消費用のトカイ・フリウラーノ(自称:ボルク・ドドン・スペシャル)を、アペリティフとしていただく。
複雑な味わいの ” uis blancis ” (ウィス・ブランシス)と異なる、ジューシーでフレッシュな味わいが、アキレイアの強い日差しに晒された体に、深く染みむ。
更に、自家用のスプマンテも出してもらう。
一般的に、マセレーションした白ワインを冷やし過ぎると、果皮からの苦みが強調されるものだが、デニスのワインからは、全く感じない。
Vini Naturale(自然派ワイン)の白ワインには、こういう飲み方もあるのか、と大いに驚く。
この、ハムは??
台所からデニスが自家製の生ハムを取り出してきた。
ああ、奴らか。。。
まぎれもなく、さっきの豚達の「先輩」である。
彼の作ったプロシュートは、そんなおセンチな気持ちを吹き飛ばすほど、旨かった!!
フリウリのワインセラーを訪ねると、来て行く先々で生ハムを食べることになる。
生ハム尽くしの日々の中、コルモンスのレストラン ” La Subida ” で食べた36か月熟成の「ハモン・ドズヴァルド(生ハム界の帝王ロレンツォ・オズヴァルドの作る生ハム)」は、格別だったが、それに肉迫するほどの旨さである。
「美味しい顔」は、言葉を超えて人に伝わるものらしい。
瞬間、デニス・モンタナールのスイッチが完全に入ってしまった。
セラーの中へ
バリックの脇にある、ラベルが傷ついたワインボトルの山は、すべて自家消費用。
何故か、アキレイアで出土された、2千年前のアンフォラも置かれてる。
セラーに入ったついでに醸造設備も見学。
実にシンプルかつ質素なもの。
特に温度管理もせず、あくまで「自然任せ」を貫く。
デニスが使うトノー(木製開放型の発酵槽)は、ラディコンやニコ・ベンサ達のモノの比べ、小型で、一見、風呂桶のようにも見える。
極上の試飲会・試食会の再開
食卓に戻り、蔵出しの ” uis blancis 2003 ” を抜栓。
見てほしい。
この5年熟成を迎えた、 ” uis blancis ” の琥珀色を。
完璧なマリアージュ。
このプロシュートを食べる為に、このワインの味わいがある。
僕自身「生ハムを食べる時にはリポッラ・ジャラが一番」と、決めつけていた節があった。
しかし、脂身の少ないプロシュートならば、タンニン分が控えめのマセレーションしたタイプの ” Bianco “(複数の品種を混ぜたもの)の方が、相性は良いようだ。
(パンチェッタなら、やはり、リボッラか、ピノ・グリージョである)
新たな、自家製チーズと、自家製小麦で作ったパンが次々出てくる。
麦はパン屋に卸し、食べる時にそのパン屋から買っいる。(焼くのだけは、パン屋におまかせ、らしい。)
先程、畑で見た「ひまわりの蜂蜜」をかけて食べれば、そこは言葉を失う、「極上」の世界。
やや粗挽きのパンの原料の小麦の味は、日本では考えられないほど濃い。
蜂蜜に至ってはエキスの濃さを感じながらも甘過ぎない優しい味わいである。
イタリアの農村の食文化とは、かくも豊かなものなのか!
チーズが苦手な私に代わって、嫁のチーズの味わいに関するコメントを引用すると、「非常に蛋白でモッツァレラ・チーズをハード・タイプにしたような味わい」とのこと。
パン、チーズ、蜂蜜、ハム。
「粗食」だが、その何れもが、単品で「ご馳走」の域である。
日本では、ワインのお供として売られている「おしゃれ惣菜」の定番アイテムだが、やはり、ホンモノは次元が違いすぎる。
なんか悲しい気分にもなってきた。
この「粗食のご馳走」と、先ほどの熟成した” uis blancis “(14度以上ある)とのマリアージュは素晴らしく、相乗効果で幾らでも飲めてしまう。
もう、食物とワインを口へ運ぶ手が止まらない。
トップ・キュベ
” Verduzzo(ヴェルドゥッツォ)2002 ” 、 ” Scodovacca (スコドヴァッカ)2003 ” もノリノリで抜栓。
” Refosco Scodovacca (スコドヴァッカ)2003 ” は前作の ” Refosco 2002 ” に比べ、素晴らしく複雑性が増しアルコール感も強くなった印象である。
” Verduzzo ” も、” uis blancis ” 同様、マセレーションされている白ワインだが、アルコール度数が適正な分、” uis blancis ” の方が、食中酒としての完成度は勝っている。
地元の食事との相性は、単一品種で作る白ワインよりも、混醸したものの方が、汎用性が広く、味わいも複雑でよい。
「単一品種ワイン=高級ワイン」志向よ、さらば。
そんな奴らは、ブラン・ド・ブラン以外のシャンパーニュは飲むな!
デニス・モンタナールの素晴らしい家族
さて、デニスのもうひとつの自慢は、彼の家族である。
長男のアレックス君は、大好きなお父さんにベッタリ。
彼こそ、あの幻のレフォスコ ” ALI(アリ) ” のエチケットのデザインの作者である
アリに関してはデニス自身も飲んだことが、ないらしい。
※なのに、ウチに2本も転がっているとは! 酒喜屋さんに感謝!
お父さんが自分の描いた絵をエチケットにしてくれたら、一生忘れない思い出になるだろう。
「ユマ・サーマン」を思わせる、ハリウッド級の美しさ。(嫁は「ケイト・ブランシェット」に似ていると言っている)
さらに下の女の子2人も可愛い。まさに幸せいっぱいの家族である。
因みに、奥様曰く「デニスとは5才離れていて、お兄さんのお友達だった」とのこと。
「出会った頃は少しは(髪が)あったけど、イタリアの男は禿げるの早いからね・・・。」と、実に興味深い話をして頂く。
イタリア男の禿げ頭は、セクシーだから、問題なし。