【 Bartolo Mascarello 】Barolo
Bartolo Mascarello
”Barolo” – d.o.c.g. Barolo
バルトロ・マスカレッロは、伝統的バローロ・ファンにとって、教祖的存在。
バリックや近代的な醸造設備を導入することもなく、単一畑名を全面に出したブランド化をすることもなく、昔ながらのやりかたでバローロを造り続けている。
葡萄は「カンヌビ」、「サン・ロレンツォ」、「ルーエ」、「ロッケ」の4つの畑から収穫。
バルトロ・マスカレッロは、リゼルヴァ・クラスのバローロは造っていないが、どのヴィンテージもリゼルヴァ・クラスの味わいで、ファンを唸らせる。
現在は娘であるマリアテレーザ女史が跡を継ぎ、お父上に負けず劣らず素晴らしいバローロをつくっている。
魅惑のアートラベル
故バルトロ・マスカレッロや娘マリア・テレサの手によって描かれた、アートラベルが世に出始めたのは、1986年頃から。
果物やインテリアといった静物画や、家族の肖像、ランゲの自然、また、その当時の時事ネタが描かれていて、ファンの目を愉しませる。
中身は通常のバローロと一緒だが、数箱の中に1本入っているその希少性から、卸業者や販売店の間で消えてしまうため、熱狂的なファンが羨望する「コレクターアイテム」となっている。
1987年~1988年のエタノール事件は、その風評被害によってイタリアのワイン農家に壊滅的な打撃をもたらしたが、それでも自分たちのワイン愛して取り扱ってくれる業者やヘビー・ユーザーに対し、感謝の意を込め、注文をうけたバローロの箱の中に1本、忍ばせたことが始まり、という説もある。
No Barriques, No Berlusconi(ノー・バリック、ノー・ベルルスコーニ)
特に忘れてはならないのが、” No Barriques, No Berlusconi(ノー・バリック、ノー・ベルルスコーニ) ” と描かれた、反ベルルスコーニ首相をうたったラベルである。
” No Barriques, No Berlusconi(ノー・バリック、ノー・ベルルスコーニ) “ラベルは、1996年に登場。
煉瓦の壁の上に” No Barriques, No Berlusconi ” と描かたエチケットの上部に、テントウムシや蟻(バグ)を描いた小さなシールが張られている。
シールをめくると、ニッコリとベルルスコーニの写真が顔を覗かせる、という趣向である。(つまり、「バグ(欠陥)」のある男、という暗喩である)
1990年~2000年は、アメリカ市場を中心としたモダン・バローロ全盛の時代。
バリックを使用した(また機械で色を濃く抽出したものを円やかに飲みやすいワインにした)、熟成させなくても直ぐに飲めるモダン・バローロに対し、年月をかけてこそ深みがでるクラッシクな造りこそが「本物のバローロ」である、というアンチテーゼが込められている。
つまり、モダン・バローロには、本物のバロリスタには耐え難い「バグ(欠陥)」がある、という意味が読み取れるのである。
” バローロ (バルトロ・マスカレッロ)“ が、最高賞を受賞したヴィンテージ
●イタリアの有名ワインガイド各誌が贈った、最高賞の比較チャート
Gambero Rosso Tre Bicchieri |
Bibenda A.I.S. I Cinque Grappoli |
Veronelli Super Tre Stelle |
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– | – | – |
– | – | – |
1998 | 1998 | – |
1999 | – | – |
– | 2000 | – |
2001 | – | – |
none | ||
– | – | – |
– | – | 2004 |
2005 | – | – |
2006 | – | – |
2007 | 2007 | – |
– | – | – |
2009 | 2009 | – |
2010 | – | – |
【参考文献:(各紙2000年度版~2015年度版)】
複数回同じヴィンテージを評価している場合は、評価が更新されたものとして新しい版を採用