キャンティ・クラッシコ地区に広大な所有地を持つ、名門アンティノリは、600年以上続くワイン貴族である。

もともとアンティノリ家は、トスカーナで絹の貿易や銀行経営にあたっていたが、1385年、Giovanni di Piero Antinori（ジョヴァンニ・ディ・ピエロ・アンティノリ）の代に、フィレンツェのワイン醸造業者ギルドに加盟した記録が残っている。

また、1506年には、Niccolo Antinori（ニッコロ・アンティノリ）は、フィレンツェの中心に位置する宮殿（アンティノリ宮殿）を購入。

21世紀にはいり、同社は本社機能と家族を同宮殿に移した。

現在の当主、26代目の　Piero Antinori（ピエロ・アンティノリ）。

ピエロは、1966年から同社の経営に携わっている。

ほぼ同時期に入社した、稀代の名エノロゴ、Giacomo Tachis（ジャコモ・タキス）とともに、多くの試行錯誤を繰り返しながら、スーパー・タスカン「ティニャネッロ」と「ソライア」を世に放った。

ピエロ・アンティノリの従兄弟には、サッシカイアを生み出した、ニコラ・インチーザ・デ・ロッケッタ侯爵がいるが、ピエロ自身もサッシカイアの誕生にも関わっている。

1989年、ピエモンテで100年以上続くバローロの老舗「プルノット」を購入したことは、記憶に新しい。

1989年には、プーリアのワイナリー「トルマレスカ」を購入。

アンティノリ家は、イタリア以外にもハンガリーで葡萄畑を購入したり、ワシントン州にある Michelle Winery にも出資している。

グループの全体の年間生産量は、1,200万本以上にもおよぶ。

Tenuta Pian delle Vigne（テヌータ・ピアン・デッレ・ヴィーニェ）　は、モンダルチーノに1995年に購入したワイナリー。